アリティーヴィーの浜知美です^^
年末なので今年の振り返りを。私にとって初めてのことがありました。
心理学の扉を開きました!!
9月、日本心理学会が仙台で行われるということで仙台国際センターへ取材に伺いました。
この大会は82回目で、仙台で行われるのは27年ぶり。
東北大学が開催校となり、行場次朗大会委員長のもと
日本全国は勿論、韓国や中国、アメリカなどから心理学の研究者3000人以上が集まり日頃の研究の成果を発表しました。
友人の纓坂英子さんは 駿河台大学で心理学を教える教授です。
その英子さんがシンポジウムを企画し、
しかもそこに世界的に認められている、私と同郷の面白い映画監督がいらっしゃるということでお邪魔することにしました。
映画監督の浜野佐知さん。とっても素敵で元気な70歳です!!かっこいい。
浜野さんの代表作品「百合祭」は、制作から17年たった今でも世界各国で上映され、数々の映画賞を受賞しています。
吉行和子さん、ミッキーカーチスさんや白川和子さんなど
日本を代表する名俳優が出演されています。
シンポジウムのお題は、ズバリ「女性の性と自己決定」。
英子さんは、女性の地位が向上し、自分らしい生き方ができるようになった現代でも、まだまだ男らしさ、女らしさの性役割が支配的で、
特に高齢、障害、経済的に弱い女性は「らしさ」に封じ込められているのではないか、そこに風穴を開けたいとのことで、
シンポジウムを開催しました。
浜野さんの映画「百合祭」で描かれているのは、「高齢女性の性愛」。
日本ではなんとなくタブーとされていた分野を描いた作品です。
浜野さんは、「介護や孤独死などが高齢者問題としてクローズアップさせる現代で、人間にとって根幹となる性の問題は見捨てられていて、
特に生殖機能のなくなった女性の性はタブーとして蓋をされ続けてきた、差別をされ続けてきた。」と話します。
現に、この映画を公開した2001年には日本の映画館では全く上映されませんでしたが、
今では、世界48カ国 59都市で上映され、各国の映画祭でグランプリを受賞するなど高い評価を受けています。
見た方からは、「こんな映画が見たかった」「元気が出た」
「残りの人生を自分らしく生きる勇気が湧いた」など
国内外から、多くの嬉しい言葉をいただいているそうです。
浜野さんは、作品で老いを楽しみながら生きる女性にエールを送りたいと語りました。
ジェンダー心理学者の青野篤子先生(福山大学)は、
「女性の時代、自立している女性、女性雑誌に掲載されているようなスーパーママや、キャリアウーマンも実際のところ、
新自由主義の世の中、女性が自分で選び、決定していたことが実は、世の中から選ばされていたことではないかということ、
その証拠に性の商品化(性産業のような)が際限なく進行している。
青野先生は、このような背景の裏には、女性の貧困,労働の非正規雇用化等があり、ジェンダー平等や性の解放とは
まったく反対の性の状況があると言える。」と語りました。
社会福祉士で大学講師の武子愛先生(大阪府立大学)の発表では、
複合的に困難な状況に置かれている女性の障害者の「性」、なかでも身体障害女性と知的障害女性に焦点を当てながら、
これまで支援者や家族が彼女らの「性」をどうとらえてきたのかを整理し,必要な配慮とは何であるかを報告しました。
私は、実は心理学のセッションを聞くのは初めてで、最初は題目に驚き、
内容も少しハードかな?と思ったのですが、
皆さんのそれぞれの見解がとても面白く、なるほどという部分がたくさんありました。
人が人らしく生きるために、その人らしく生きるために、イメージ「らしさ」で押し付けることは決して良くない。
そして心理学は普段とは違う角度から物事をみるきっかけを与えてくれるものだということが分かりました。
そして最近このような記事が、、、
あれ!?やっぱり日本はジェンダーギャップが大きいのか!?
色々な気付きを与えてくれた日本心理学会の皆様、そして東北大学の皆様
本当にありがとうございました。
そして、公開したばかりの、浜野監督の新作も楽しみです!